2011年03月02日

食のリスク学

食のリスク学―氾濫する「安全・安心」をよみとく視点 [単行本] / 中西 準子 (著); 日本評論社 (刊)

健康づくり料理サークルで活動していると、食品の安全性についていろいろ考える機会が多くなります。しかしBSE全頭検査や食品偽装事件の大げさな報道や、それとは逆に、紅茶キノコ(死語ですね)、カスピ海ヨーグルト、ココア、イチョウエキスなどなど、次から次へと出ては消えていく健康食品ブームを見ていると、私自身何が危険で何が安全な食べ物なのか、ふと悩むことがあります。

そんな疑問に対して、この「食のリスク学」(中西準子著)はリスク学という観点から一つの答えを提供してくれます。
要は食品事故発生したときの危険度死者がでるかどうか)が高いものでも、その事故が発生する確率が低ければ全体のリスクは低いと考えましょうということです。危険度だけで考えて大騒ぎしないことです。
BESの場合、最初は発生確率が不明ですので、全頭検査でスタートしてよいのですが、時間経過でリスクが低いことが判明した段階で全頭検査から抜き取り検査へ移行すべきでした。リスクが極めて低いと分かった後も全頭検査を続け、結果数百億円もの税金を無駄に使ってしまいました。
以前、環境ホルモンの危険性が騒がれたことがありました。いつの間にか騒ぎはおさまりましたが、実は赤ワインのポリフェノールも大豆のイソフラボンも環境ホルモンの一種であるということはあまり知られていません。過度な摂取は性ホルモンに影響がでる可能性があります。
また無農薬野菜は天然農薬を分泌していますが、この毒性については研究されていないということも書かれています。無農薬有機栽培の野菜を生食でいっぱい食べることが果たして健康に良いかどうか・・・健康食品もその影に潜むリスクについてよく調べてから使用することが大切です。
この本には他にも私たちがいつの間にか正しいと信じている食や健康についての常識を覆す話がいろいろ出てきます。
私たちは安心や健康を求めすぎて、マスコミや企業の不正確な情報を鵜呑みにしないよう、もっと勉強しなければならないと思います。
「食のリスク学」は是非一度読んでいただけたらと思います。(甲賀市図書館にあります)



posted by おおにし at 21:40| Comment(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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